【授業編】タイピング(導入から実践、継続)

タッチタイピング
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タイピング授業

授業内でタイピングを導入することについての賛否はありますが、個人的には賛成です。

一人1台タブレットの時代が浸透してきた昨今。

情報科としてどのように捉えていくかを考えたときに、プログラミングをするにしても、調べ学習をするにしても、タイピングができないと課題に取り組む上で多少なり支障をきたします。

入力スピードが速い生徒と遅い生徒では、進捗に差がありますし、特にプログラミングの実践になったときに、記号の入力ができない生徒が多くいます。

普段使用しない記号がどこにあるかを知らないだけで、授業が一時停止してしまうことはよくある光景です。

それを少しでも回避するためにも、タイピングの基礎は理解してほしいと思っていますし、どうせやるならタッチタイピングを身につけさせてあげたいのです。

そこで今回は、私のパソコンインストラクター時代にやっていたタイピングを、どのように授業で取り入れているのかをご紹介します。

【事前準備】

ホームポジションの指見本帳(教科書に記載の画像があればそれをスライドなどにしておくといいです)

※タイピングをするときは、私自身の入力画面などは見せません。

口頭で自分の指の動きを説明しながら、机間巡視で行います。

【タイピング導入編】5分

私「簡単なコツさえつかめばタッチタイピングは必ずできるよ。ただし、素直な心で言われたとおりにできた人は、ね!」

私「しかも!5分の練習でまずはタッチタイピングの基本はマスターできます。嘘かまことかは、あなた次第。大事なことは『素直な心』だよ。」

生徒「えー。(ざわざわ)」

じゃあ、まずは、キーボードのFとJがどこにあるか探してみようか。実はこのキーだけ他にはない目印があるんだけど分かるかな?(←これ知らない生徒多い)」

生徒「なんかポチってある!」「でこぼこ付いてる!」

私「よく見つけたね。そう、それは人差し指を添えようね、という目印なの。じゃあ、まずはFのキーに、左手の人差し指を添えてみよう。Jは右手の人差し指だよ。」

私「できたね。そしたら、中指はその隣、薬指はその隣、小指まで置いてみようか。親指は自然にスペースキーの位置にこないかな?」

私「そう。指を伸ばしたままだとうまく置けないから、指をふわっと丸めた形で10本指を置いてみよう。これがホームポジションっていいます。」

私「さて、ここでみんなに確認してもらいたいんだけど、ホームポジションに指を置いたときの姿勢はどうなっているかな?」

私「キーボードと身体が斜めになっていたり、脇が締まりすぎていたり、肩が緊張しているとうまくタイピングできないよ。

私「姿勢を正しくして自分がリラックスした状態でホームポジションに指が置けるように、キーボードの位置を移動させてね。」

生徒「・・・(キーボードの位置を調整し始める)」

私「できたかな。これから私が『ホームポジションに指を置いて』って言ったら、すぐにこの状態にしてね。さぁ、では早速タッチタイピングを始めてみましょう。覚えているかな?『素直な心』だよ!」

――ここで、Word白紙の文書、もしくはメモ帳を起動する――

【タイピング実践編】5分

生徒「・・・(ちょっと緊張している様子)」

私「まずは、あいうえおの「あ」からやってみます。「あ」は左の小指の位置だよ。小指で「あ」を10回くらい練習してみよう。」

生徒「あああああ・・・」

私「右手の小指を伸ばしてEnter改行しよう。次は、「い」だよ。右手の人差し指を上にあげてね。」

私「ここで!『素直な心』だよ。『い』の入力ができたらホームポジションに戻す。この「戻す」、が重要だよ。

私「『い』は上下の動きをすることが正しい指の動きだからね。「戻す」ことを意識して、10回くらい入力してみよう。」

私「戻す、戻す(と言いながら机間巡視)」

私「はい、右手小指で改行

この流れで、「ホームポジションに指置いて」と毎回前置きして(←これが重要)

「う」…右手人差し指を上⇔戻す (改行)

「え」…左手中指を上⇔戻す (改行)

「お」…右手薬指を上⇔戻す (改行)

を実践します。

私「では、今から1分間だけ自分のペースで練習してもらいます。くれぐれも注意してもらいたいのは、スピードは一切いりません。今の指で戻す、ということだけを意識してやってみまよう。では、どうぞ。(1分計測)

【タイピング確認編】5分

私「はい、では今から練習の成果を試してみたいと思います。まずは、隣同士でペアになります。左の人は、タイピングをする人。右の人は、左の人の手元を教科書で隠してあげましょう。」

生徒「えーーー!まじかよーーー。ちょっと待ってーーー。(ざわざわ)」

私「準備はいいですか?「あ」」

生徒「あ!」

私「い」

生徒「い」

・・・うえお をやる。

生徒「キャーキャー、ワーワー(結構楽しんでる)」

私「じゃあ、もう1回やってみるよ。準備して。「あ」!」

・・・いうえおをやる。

生徒「おー!できた!(パチパチ)(あちこちで拍手や笑顔が見られる)

私「じゃあ、右の人交代です。準備はいいかな?いくよー。「あ」」

・・・さっきと同じことをやる。

2回確認をするのは意味があって、まず「あいうえお」のタッチタイピングは、ほとんどの生徒ができます。

手元が隠れてもできる、という成功体験を1回でもさせてあげたいのです。

私「じゃあ聞くよ。1回でも「あいうえお」が入力できた人、手を挙げて」

生徒「はーい(ここで9割近くの生徒が挙手するはず)」

私「すごいじゃん、これがタッチタイピングだよ。

私「できなかった人は、いくつか理由があります。まずは『素直な心』で上下の動きをせずに、キーボードに指を置きっぱなしにしてた人。他には、指の長さって人によって違うでしょ。」

私「例えば「え」を入力したつもりなのに「W」になっちゃう、とか、「い」のつもりなのに「お」になっちゃう、っていう人は、それが指の癖なの。自分の癖を意識して、練習すると必ず間違えずに入力できるようになるからね。」

私「さぁ、みんな。ここまで5分です。あなたたちは5分でタッチタイピングの基礎を身につけました。実は、ここからが本題なんだけどね。

私「ホームポジションの準備!(というと、一瞬で生徒はピリッとホームポジションにセットします。練習時に意識づけさせたホームポジションというキーワードが効果を発揮します)」

【タイピング補足編】5分

私「右手中指に「K」があるね。「K」を押して「あ」を入力してごらん。」

生徒「か」

私「そう、か行のKだね。じゃあ、自分自身にチャレンジしてみたい人は、目をつぶって「かきくけこ」の入力してごらん。」

生徒「うわ。できた!(という声がちらほら聞こえてくる)」

私「この練習をするまでは、かきくけこ、を入力するのにキーボード見ないとできなかったでしょ?でも、今は見なくてもできるようになったね。タッチタイピングって誰でもできる、っていうのは、この基礎があるからなんだよ。

私「あいうえおは、母音だから、ほとんどの入力で使われるキーだよね。これをマスターしたら、あとは、か行はK、さ行はSの位置が分かるだけでかきくけこ、さしすせそ、が入力できちゃうんだよ。こんな感じで50音の入力をしていくよ。」

私「あいうえおの練習だけは、頭と指の意識でできるから、パソコンがなくてもできるからね。私はよくお風呂に入りながら指の練習していたよ。この地道な練習ができた人は、1年後は歌いながら入力できるようになるよ。みんなにも、そうなってほしいな。」

この授業を行う際の注意点は、メリハリです。

説明しているときは、話に注目させないといけません。

そこで、私は

『素直な心』

というキーワードを出しています。

これができる人だけが、今日のタイピング学習で成功する、と信じてもらうためです。

練習時間も、きっちり計測します。10秒前でカウントダウンするのですが、ある種の緊張感も得ながら、時間の区切りを意識できます。

コロナ時は、左右ペアで教科書で手元を隠す、ということはしていませんでした。

「目をつぶって」(もしくは「上を見て」)で個々に、「見ずに入力」をしていました。

どちらでもいいのですが、ペアで実践するほうが圧倒的に面白いです。

隣同士の交流も楽しいし、2回実践練習することで、1回目がうまくできなくても2回目は何とか成功したい、という気持ちが湧きあがるようです。

授業毎時間にタイピングの練習をさせるのは難しいかもしれませんが、ホームポジションとタッチタイピングができた、という経験があればPC学習の苦手意識が少し減少すると信じています。

タッチタイピングの学習の際に、Shiftの使い方などを説明するようにしています。

いかがでしたか?

少しでも参考になれば幸いです。

ご購読ありがとうございました。

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