生徒に好かれる、効率的な授業のやり方

黒板で授業をする女教師
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【非常勤講師のひまわり先生の情報の授業】

現在私は2つの高校を掛け持ちしています。

勤務は月~金で、土日は休み。

月・火・金が高校Aで18コマ(1日6時間のフルコマ)で、水・木が高校Bで10コマです。

2021年度までは、

「社会と情報」

「情報の科学」

を教えています。

学校やクラスによって教科書が違うことがありましたが、2022年度から

「情報I」

に統一されたので、教科書による違いはあるものの、多くは同じ内容をなぞっていきます。

進捗に関しては掛け持ちをしていても特に困ることがなく、単元の前後が違う程度で授業を進めることが出来ます。

科目が統一されたことは、非常勤講師の私にとってはラクになったと感じます。

基本的には教科書の内容に添った授業をしますが、さらに私の授業では、

「問題提起」

に対して

「考える力と想像力」

を身につけてもらいたいと思っています。

授業を受ける生徒
授業を受ける生徒

教科書を読むだけでは、その意味や役割を追求することができないし、教科の特性上、正解があってないような部分もあるので、自分で考えて行動することが重要だと思っています。

【授業での取り組み編:グループワーク】

例えば、情報の特性

「残存性・複製性・伝播性」

の話をするときに、教科書の内容だけをなぞってしまうと実生活でのイメージがつきづらいです。

日常生活のほんの一部を例題にしていることが多いので、グループワークで生徒自身が日頃行っている行動に照らし合わせて、

どの特性によってどんなことが起こると思うか?

実際に起こっているのか?

などを話し合ってもらう授業をしています。

特に近年のあふれた情報の中で、

「知らず知らずにやってしまっていること」

がいかに危険であるか、までを自覚してもらうことを目的としている部分も大いにあります。

グループワークをすることで、自分だけじゃなく周りの人たちも同じような考えであったり、中にはリスクマネジメントの意識が高い生徒と低い生徒とで、議論が活発になることもあります。

しかしそれもひっくるめて、こういう授業を展開できるのは、情報科ならではなんじゃないか、と思いますね。

話し合った内容や気付き、人の意見を聞き、自分の意見を発言し、まとめることを授業で継続していくと、だんだん生徒側も、情報の授業ってこういうもの、みたいな感覚になるようです。

グループワークを楽しんでくれているようです。

(教室に入ると、開口一番「先生、今日はグループワークですか?」なんて言われることも多々ありますね…)

そこで私の授業準備としては、グループワークを行うための資料作成なんです。

といっても、こちらからどんな内容を話し合いなさい、といった指示はほとんど提示しません。

まとめ方も基本は自由です。

授業内容を理解し、グループワークに取り組めたかどうかを見ているので、前述したように正解があってないようなものです。

グループワークで話し合った内容は、基本的に発表してもらうようにしています。

発表者に対しては、少しハードルを上げて、プレゼンしてもらうつもりで、聴衆に分かりやすく、端的にまとめるところはまとめて、ダラダラ話をしないことを意識してもらっています。

そのために、グループの代表者に対して、同グループのメンバーからは、内容のまとめ役がいたり、このポイントはおさえてほしい、といった要望などを伝える光景が見られます。

まさに、グループ一丸となって問題解決しているようじゃありませんか?

(自己満足かな・・・?)

グループワークには、課題点と称して、どのように問題に取り組み、意見交換をしたか、という部分をチェックするからね、といってプリントを提出してもらっています。

グループワークはグループの連帯責任だから、みんなで協力しあってね、と声かけをすることもあります。

グループワークを行うにあたって最も重要なことは時間配分だと思います。

限られた時間の中で意見交換をし、グループ発表までを50分の中で行うので、生徒は自分の思ったこと、考えたことをどんどん言わないといけません。

私はグループワーク中の机間巡視がとても楽しいです。

真面目な意見もあれば、ユニークな意見もあり、また意見がなかなか出てこないグループに対しては、少しヒントを与えながら、生徒同士が何を考え行動しているのか、とてもよく見えるのです。

生徒が取り組む姿勢というのは、教師の意識で大きく変わります。

人の意見に対して、感想を求める時は、必ず最初に

「いい意見だと思った」

「面白かった」

など小学生でもできる感想はNGにしています。

5W1Hとまではいわないにせよ、なぜ、どのようにどの部分が良かったのか、共感したのか、自分ならどのように考えるのか、などをしっかり記述されていないと認めない、と言い切ります。

(それでも自分の意見を文章に変換するのが苦手な生徒はいますが)

少しでも参考になれば幸いです。

【授業解説編:板書】

私の授業では、板書はあまりしません。

というのも、情報の教科書は、おおよその内容は明記してあるので、例えば専門用語を覚えることに関しても教科書内に補足資料があり、私が板書をしないといけないようなシーンはあまり発生しません。

では、どのような場合に板書をするのか、というと、教科書に記載がなく、関連性のあるキーワードや、教科書の補足内容だけでは理解しづらいもの、板書をして説明したほうが、生徒にとって分かりやすいだろうと思えること、に限定されるのです。

教科書改訂があって、

「社会と情報」

には明記されていたのに、

「情報I」

からは除外されたキーワードも、補足的に板書することがあります。

社会人になったときに、一般的に使われているビジネス用語なども板書することがありますね。

1学期に初回オリエンテーションの際には、情報用のノートは必要ないと伝えていますが、その理由も説明しています。

  • 1.大事なことはすべて教科書に記載されている
  • 2.補足に関しては、授業をしっかり見て聞いて、自分がメモを残しておこう、と思ったものをメモすればいい
  • 3.つまりわざわざ書く必要があるかないかは、高校生ともなれば自己判断するべし

と。

これを最初に伝えるので、初回から数回の授業前には、再補足的に

「大事だと思うところは自分でマーカーするんだよ。先生の言葉で大事だと思ったら、自分でメモを取るんだよ。強制じゃないから自己判断するんだよ。」

と促しますと、生徒の中にはマーカーペンと色ペンをささっと用意して、書き取る姿勢を見せるし、ただうんうんとうなずいているだけの生徒ももちろんいます。

それでいいんです。

【臨機応変な授業展開】

極論ですが、授業を受ける受けないも自己判断してもらっていいと思っています。

そのうえで、いかに面白い授業展開ができるかどうかが、教員の腕なんだと、私は思っているのです。

もし授業中に眠くなってしまう生徒がいたら、

「私の授業がつまんないんだな」

と反省するのです。

つまんないと思わせてしまった自分の授業展開に対して、どうすればよかったのか、を検討しないと改善されませんし。

PDCAですね。

1つの高校で複数クラスを担当しているので、言い方が悪いですが、最初のクラスはお試しになってしまいます。

もちろん、手は抜きませんよ、全力です。

しかし、言い方が伝わりにくかったな、とか、次はこうしてみるとどんな反応になるかな、というのは、授業をこなしていくことで改善されるものです。

8,9クラスを担当していると、それは8,9クラス目のほうが、安定しているし、生徒の反応も1クラス目よりはいいはずなんです。

ですから、1つの授業で、どんな取り組みをしていくかは、まさに生きもののようなもので、常に良い方向に細かなブラッシュアップは必要だし、それを即実践してみる、という行動力も十分に試されることでもありますね。

ご購読ありがとうございました。

楽しい授業のコツ
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