高校の情報科のオンライン授業

オンライン授業をする女性教師
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【オンライン授業のはじまり】

2020年1月、世界中を恐怖のウィルスが襲いました。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)(以下、コロナと表記)です。

学校はもちろん、多くの企業、店舗が休業状態になりました。

突然の事態に戸惑いも多く、目に見えない恐怖が生活を脅かしました。

学校もコロナの影響を大きく受けました。

2020年3月後半から、勤務校は休校となり、学内ではこれからの授業をどうしていくか、会議が続きました。

おそらく多くの学校で、オンライン授業の提案がなされたことと思います。

オンライン授業はほとんどの先生が未経験で、PC設定、操作、アプリの扱い方から指導された学校も多かったのではないでしょうか。

COVID-19

オンライン授業の学校の現場対応

当時勤務していた学校では、教員は全員出勤で、自宅待機することはありませんでした。

学校では、オンライン授業を進めるにあたり、各種資料の準備、設定に追われました。

まず、オンライン授業をするための環境整備が急がれました。

生徒と共有するためのアプリケーションとその使い方の研修から始まりました。

学校によって異なったと思いますが、当時の勤務校は、GoogleのClassroomを使用しました。

それまで、情報の授業では、成果物の配布で使用していましたが、同じアプリケーションでオンライン授業として運用することになりました。

この学校では、リアルタイムでの授業をするのではなく、事前にYouTubeで授業内容を撮影したもの、またはPowerPointのスライドショーで説明したものをClassroomにデータ配布(配信)し、生徒に閲覧してもらいます。

時間を区切って次に課題を提示し、授業時間内に課題を提出をさせる、という流れで1コマの授業を作っていました。

こちらの勤務校では、授業内容の多くを専任の先生が作成してくださいました。

私は通常の勤務時間内に出勤し、授業時間になったら当該クラスに赴き、クラスに設置されたPCでClassroomにログインしたのち、授業開始時刻に生徒の出席確認をし、上記授業内容の説明をおこなって授業をしました。

当時の担当学年は高校1年生だったので、クラスの机の右上に貼られた、ここに座っているはずの生徒名シールがいつまでも真新しいまま残っていて、担任の先生が用意された黒板の

「入学おめでとう」

のチョークのデザインが寂しく空っぽの教室を彩っていました。

手探り状態のオンライン授業で、すべてがうまくいくわけではなく、どの学校も試行錯誤を繰り返しながら、どうすれば授業を成立させられるか、日々検証に明け暮れていたのではないかと思います。

そんな中でも、専任の先生と打ち合わせしながら授業が進められたのは、今では大きな財産になりました。

授業の存在意義も改めて考えさせられるきっかけになりました。

特に、オンラインであるからこそ、生徒自身も限られた情報量で自分に与えられた課題をこなさないといけません。

YouTubeはいつでも自分の都合時間に閲覧できるので、授業時間内で理解できなかった場合は、何度も繰り返し確認してもらうことができます。

課題提出までの時間に少し余裕を持たせることで、対面授業では対応しきれない個別型指導でも、オンラインなら生徒が自分のペースでできるのは、大きな成果であると思います。

またオンラインで繋がっているので、メッセージで直接質問を受けられ、質問~回答をクラスで共有できるのはとてもよかったです。

対面だと授業を止めてしまうのでは?と気にして質問しにくい生徒も、メッセージなら他の生徒の時間を奪うこともありません。

使い方ひとつで適した授業が成立することを実感しました。

突然のコロナ流行で、学校も急きょオンライン授業の準備に追われたので、とにかく始めなければ!

と、やっつけ仕事的な状態から始まったとも言えます。

先生によっては、50分間、PC内側カメラを黒板に向けて授業をされる方もおられました。

また、他の先生は、授業風景をiPhoneやiPadで撮影し、それを配信用として運用される方もあり、様々に自分スタイルのオンライン授業を作り上げておられました。

そうして、コロナ禍でのオンライン授業が始まりました。

オンライン授業する女教師

【オンライン授業で大変だった事】

コロナ禍休校期間中、1学期が過ぎようとする頃には、オンライン授業に少し

「慣れ」

のようなものが見られ、教員側も生徒側も、1日のスケジュールが定着してきたように感じました。

コロナの休校期間は、緊急事態宣言の発令に影響されるため、学校再開と休校を幾度も繰り返しました。

学校再開されても、一度に全校生徒が登校することはなく、学年別、またはクラス別で人数制限の中の登校となりました。

もうひとつの勤務校は、学年のクラス数が12クラスあったので、1~6組の出席番号奇数の生徒が午前登校、7~12組の出席番号奇数の生徒が午後登校、のように、なるべく密にならないような配慮のもとで登校がありました。

出席番号の奇数、偶数での授業は、同じ内容の授業を1クラスで2回行うことになるため、時間の管理

(授業内容の管理と進捗)

がとても大変でした。

さらに、1クラスでも授業時間数が異なることもあったため、

「合わせる」

ということがとても大変でした。

これも経験といえば経験です。

1クラス40人学級の場合、隣同士の席感覚が1mもありません。

当時2mの間隔をあけましょうとうたっていたため、致し方無い事態だったと言えます。

まさか、机にアクリル板を設置するわけにもいきませんからね。

ソーシャルディスタンス

情報科のオンライン授業ではPCやタブレットは必須

この学校では、先述の学校とは違い、生徒が共有のオンライン学習ができるアカウントの配布がありませんでした。

ですから、コロナ禍最初の頃、学校の取り組みとしてオンライン授業を行うことができませんでした。

2学期に入るころに、ようやく生徒用アカウントが作成され、オンライン授業ができる体制が整いました。

そこから、教員用研修が始まり、2学期初頭は、ほとんどの教科はオンライン授業を導入することができませんでした。

学校側のネットワーク環境、教員が使用できるPCの持ち合わせもなかったため、PC教室に設置していたデスクトップPCを、各クラスに設置することで、臨時オンライン授業の対応をせざるをえませんでした。

それ以降、PC教室は閉鎖となり、情報科はPC教室での対面授業はなくなりました。

これがきっかけになり、生徒がひとり1台のタブレットを持たせることが必須となったのは、いうまでもありません。

タブレットは学校が選定し、セットアップしたものを、生徒に配布する学校が多いのではないでしょうか。

タブレットの不具合は、多くの場合は学校が管理し、対応することになります。

学校直属のSEがいれば、すぐに対応してくれるかもしれませんが、そうでない場合は、不具合をかかえたまま授業を受けざるを得ない生徒もいるため、授業の進行についても、戸惑いを感じました。

オンライン授業をやってみて気づいた事

しかしながら、このオンライン授業がもたらした、いい影響も考えなくてはなりません。

大きな混乱が生じたときに、

「学校に行かなくても授業はできる」

ということです。

私自身、対面授業を推奨していますし、対面だからこそ気付けることも多いことは承知しています。

でも、対面でなくとも授業はやり方によってできる、伝えることはできる、ということを知りました。

これは画期的なことではないでしょうか。

学校での学びの幅が広がったと、捉えることはできないでしょうか。

コロナをきっかけに、オンライン授業が加速したことで、それに適応してきたことで、私たちの生活にネットワークでつながった世界がより身近に感じられるようになりました。

今は、対面授業用の準備をしながら、日々生活していますが、頭のどこかで

「オンラインになったときは、ここをどうしようか。」

と考えるようになりました。

また、オンライン授業に切り替わっても、大して怖くなくなりました。

これは、おそらく生徒も同様に感じているのではないでしょうか。

この、オンライン授業がもたらした恩恵は、生徒が社会人になったときに、大いに役に立つスキルになっているかもしれません。

少しそんな期待もしながら、これからどんどんと変化するであろう時代の流れに、私は乗っていきたいと思います。

ご購読ありがとうございました。

情報科
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