【成績処理の大変さをどうやって対処するか】
私が非常勤講師として勤務していて、最も気を遣うのが成績処理です。
日々の授業でいわゆる
「平常点」
をつけるのは、授業態度、忘れ物がないか、や、提出物が出されているか
(提出物に採点をすることもあります)
にあたると思います。
学校によっては平常点は考慮せず、実技課題の提出された際の課題点と、定期試験の素点で成績をつけることもありますが、私は何かあった場合用に、個人的に平常点を準備しています。
平常点は、生徒にとってプラス(加点)されることもあれば、マイナス(減点)要素にもなります。
授業態度では、他の生徒に迷惑をかけていないか、著しく授業を妨げる行動をとっていないか、をみます。
忘れ物では、私は情報科の教員なのでPCのログインIDやパスワードを忘れてログインができなかったら、減点対象としています。
提出物は、教科で出される課題とは別に、私が作成したプリントや調べ学習の内容
(基本的には授業内で解決できるレベルの調べ学習をさせ、授業内で終われなければ宿題としている)
を、平常点に組み込んでいます。
平常点が明記されている学校では、教科の方針に則り点数配分をします。
その場合は、とてもラクですね。
日常的な授業態度や成果と、実技課題の評価、そして定期試験の点数が成績になるので、至ってシンプルです。
生徒や保護者から
「なぜこの成績なのか」
と問い合わせがきたとしても、数値化したものを見せることができるので、文句は言われないですし
(といっても、そんなクレームは一度も出したことがありません)。
本来は、成績は、事細かに点数配分され、公平公正であるべきだと思っていますが、まだ私の勤務校は、一部教員の裁量に任されている部分があり、おかげで、頑張っている生徒を救ってあげることができることも事実です。
ただ、いずれにしても、成績を提出するまでの事前準備が本当に大変になりますね。
学校によっては、各名目の点数配分がプリントなどで配布されるだけで、エクセルで点数表を作成するのは個人に任せる、ということもあります。
というか、いまのところ、数校勤務した中で、決められた成績管理表に決められた項目に評価(点数)を入力するだけでいいよ、といってもらったのは、1校のみです。
つまり、少なくとも私の経験上は、成績提出に至るまでの準備は、非常勤講師個人の管理に任されている、ということになります。
【エクセルで成績管理】
私自身は、エクセルで成績管理をしています。
受け持っているクラス名簿を入力し、列で項目名を、行で生徒名簿を管理しています。
項目名は授業で必要な数だけ用意します。
ここで、私が管理しているエクセル表はこのようなものです。
同じパターンのものを、同僚の英語の非常勤講師にデータをお渡ししたところ、とても喜んでもらえました。
英語は、毎週単語テストがあり、さらに定期考査も、中間・期末がありますし、学校によっては全国共通摸試の点数も成績に組み込まれることもあるようですので、ここで紹介している項目名では、圧倒的に不足していますから、あくまでも参考までにしてください。
このデータでいうと、平常点の部分は、
「ID忘」
「知的財産権プリ」
「グループワーク」
の3つです。
学校によっては、これが成績に組み込まれたり、組み込まれなかったりする部分です。
「W実技①」
「W実技②」
「W応用」
の3つが、実技課題として評価点数に加味されます。
この実技課題は、全体の成績の2割~3割程度の配分になることが多いと思います。
「素点」
が、定期試験の点数です。
素点が全体の8割~7割に配分されることが多いと思います。
私の勤務している情報科は、定期考査が期末考査のみ、なので、1項目しかありませんが、他教科であれば、それが
「中間素点」
「期末素点」
となるでしょうし、前述の全国摸試などが加算される場合は
「〇摸試」
といった項目名が追加されることでしょう。
あとは、評価点のセルに、点数配分に従って計算式を入力していきます。
この時に、平常点や、実技課題点の点数をそれぞれ何点満点に設定しておくか、もあとから計算するときに便利です。
個人的には5点満点、や10点満点のように、5の倍数で点数をつけておくと、配分計算をするときに少しやりやすくなります。
その理由は、例えば、実技が3割だとした場合に、3つの項目のそれぞれを10点満点に設定しておくと、3項目の小計が最大30点、素点×0.7
(100点を取った場合は最大70点)
ですから、すぐに100点満点として評価点をつけることができます。
とはいえ、そんなに簡単に成績を付けられることはあまりありませんが、どのような場合でも、実技は、まず小計を計算し、その点が全体の何割を表すのか、が分かれば計算ができると思います。
また、私が出会った高校はどこも10段階評価をしており、評価点の1点が10段階に大きく影響することがあります
(5段階評価としてみた場合は、それほどの影響はありません)。
ここで、あと1点で評点が、5から6になるのに、といった生徒で、平常点を見たときに提出物や授業態度が良好であれば、その1点を教員裁量で加点材料とすることがあります。
5段階評価としてみたら、
「3」
であることに変わりはありませんが、
「4」
に近い
「3」
だと認識してもらうことで生徒にとってプラスの効果があるかもしれません。
教員裁量が許されるのであれば、私は、それに関しては評価としてきちんと出してあげたいと思っています。
ただし、その点数配分が明確に定められている場合は、教員裁量はありません。
個人的なことを言うなら、教員裁量はなくていいと思っています。
なぜなら、そこを加味されてしまうと、全体的にもっと細やかに平常点をつけなくてはならないし、正当な計算式で評価された点数が、良くも悪くも覆る、ということになるからです。
たかが1点、されど1点で成績が確定してしまう成績処理は、本当に神経をつかいます。
なるべくその神経をすり減らさずに済む方法として、何事も数値化して評価をすることが、今、私ができることかなと思います。
【非常勤講師の立場での成績処理】
また、非常勤講師同士で成績処理について、お話をする機会がありますが、割と多くの先生がエクセルの使い方や、計算式に対して難しいと感じておられたり、計算表ではなく、メモ帳のように使用されている方がおられるのを目にしたり、聞いたりします。
エクセルの使い勝手を知っているのとそうでないのでは、処理スピードが時間単位、日数単位で変わってきます。
非常勤講師のメリットでもある、拘束時間がほとんどない
(つまり自分の処理が早ければ、業務も早く終わる)
ことなのに、夜遅くまで残業して、それでもやるべきことが終われなかった、なんていう話を伺うと、何とか同じ非常勤講師として助けてあげたい気持ちにかられます。
もし、学校から成績処理用テンプレートがない、ということであれば、私が作ってあげます!
と言って、何人かの先生のお手伝いをしてきました。
本当は、作ってあげるだけではなく、次年度や別の学校でも同様に処理ができるスキルも教えてあげたいくらいですが、なかなかその時間がとれないのが歯がゆいところですね。
成績処理は、エクセルで。
できるだけシンプルに。
まずはここから始めてみませんか。
ご購読ありがとうございました。
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