初心者からプロへ導く!パソコンインストラクター「ひまわり先生」が掴んだ、生徒に合わせた“伝える技術”と寄り添う指導の原点

パソコンインストラクターとおじいちゃん
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パソコン教室という新たな挑戦。40代から80代の受講生と向き合う日々

パソコン教室のインストラクターとして歩み始めた私の前に広がっていたのは、40代から80代という幅広い年齢層の受講生の方々と向き合う、新鮮で温かな毎日でした。

当時はちょうど、Windows XPが発売された前後のタイミング。それまでは「職場に数台あるかないか」だった家庭用パソコンが、ほんの数年のうちに「一家に一台、職場でも一人一台」というレベルで急速に普及し始めた、まさに激動の時代でした。

当然、世の中の流れに合わせて「パソコンを使えるようになりたい」という受講生が急増していました。

特に40代の方々の多くは、「職場で急にパソコンを触らなければならなくなったが、全く触ったことがないので基礎から教えてほしい」という切実な理由で教室の門を叩いていました。

私たちのパソコン教室は、ほぼマンツーマンに近い個別指導型。

年代も求めるスキルも一人ひとり全く異なるため、まずは丁寧なカウンセリングを行い、その人が本当に必要としている学習内容を見極めることからスタートしました。

パソコンインストラクターの女性
パソコンインストラクターの女性

仕事で効率よくパソコンを使いたいという方にはExcelをメインに、趣味で年賀状やメッセージカードを作りたいという方にはWordの基本操作を学んでもらうなど、一人ひとりに合わせたカリキュラムを提案していきました。

答えを教えない「自立」へのサポート。文系・理系で変える伝える言葉

学習は基本的にテキストに沿って進みますが、スムーズに進められる人もいれば、つまずいて補足が必要な人もいます。この「きめ細やかな個別サポート」こそが、私たちの教室の最大の強みでした。

初めてのインストラクター業務でしたが、私はこの環境でスタートできたことを今でも本当に良かったと思っています。なぜなら、現場での経験を通じて、

「同じ言葉を伝えても、相手の考え方の癖や個性によって、理解度のパーセンテージが全く異なる」

という重要な事実に気付くことができたからです。

例えば、Excelを学ぶ際、理系的な思考を持つ方には操作手順や関数の使い方を「数式や論理構造」としてシンプルに説明すると、すんなりと納得してもらえます。

一方で、文系的な感覚を持つ方には、まるで「国語の文章」を読み解くかのように、言葉のニュアンスを紡いで説明した方が、圧倒的にスムーズに理解してもらえるのです。

こうした個々の個性をカウンセリングや何気ない日常会話から見抜き、適切な指導アプローチを選択する力が自然と養われていきました。

受講生の手元を近くで見守っていると、彼らがどういう考えを持って行動しているのかが手を取るように分かるようになります。経験を重ねるうちに、

「あ、この方は次にこんな操作ミスをしそうだな」
「ここでは、こんな風にヒントを出してあげると自分で気付けるはず」

と、相手の思考の先回りができるようになり、絶妙な指導の距離感を保てるようになりました。

私が指導にあたって常に心がけていたのは、「自分の力でやりたいことができるようになって、笑顔で教室を卒業してもらうこと」でした。

受講生の中には、ただ「答え」だけを早く知りたいという方もいます。もちろん、インストラクターが操作を代行して答えを出すことは簡単です。しかし、それでは受講生自身のスキルとしては何も身に残りません。

だからこそ、あえて答えを直接教えることはせず、絶妙なバランスで「ヒント」を出しながら、受講生が「自分の力で解決できた!」という達成感を得られるよう、徹底してサポートに徹しました。

タッチタイピングがもたらす自信。基礎基本が不安を喜びに変える

この「自分でできた!」という小さな成功体験の積み重ねが、受講生の不安を自信へと変え、驚くほどのスピードで上達を促す原動力となっていきました。

最初、教室のドアを叩いた時は誰もが緊張し、「自分なんかにできるのだろうか」と不安を募らせています。

私はこれまでの経験から、初心者が抱く「パソコンへの恐怖心」の大部分は、キーボード入力の不慣れさにあると考えています。

タイピングがスムーズにできるようになると、入力時間が劇的に短縮され、余計なストレスなく「操作の意味を考えること」に集中できるようになります。逆に入力が遅いと、操作のたびに思考が遮られ、「自分には向いていないのかもしれない」とマイナス思考に陥りやすくなってしまうのです。

タイピング男性の手
タイピング男性の手

そのため、私のクラスでは初心者の方ほど、最初期に「正しいホームポジションとタッチタイピングの基礎」を徹底して身につけてもらいました。

変なくせがつく前に基礎をマスターした受講生は、その後の成長スピードが凄まじく、みるみるうちに入力速度を上げていきました。

また、ある程度パソコンを使ってきたけれど「人差し指だけで入力していた」という方にもタッチタイピングを指導したところ、作業効率が圧倒的に向上し、

「入力がこんなに楽になるなんて! 教室に通って本当に良かったです」

と、涙ぐむように喜んでいただけたことも一度や二度ではありません。

このタイピング指導を通じて、私は教育の最も大切な本質を学びました。

「誰でも最初は新しいことに不安を抱くもの。しかし、正しい『基礎基本』を大切にし、不安に寄り添いながら一歩ずつ進めば、どんな壁も意外と簡単に乗り越えられる」

この学びは、その後の私のあらゆる教育現場での礎となっています。

偉ぶらず、上から目線にならず。人と接する原点「自分がされて嬉しいこと」

パソコン教室には、実に多様なバックグラウンドを持った受講生が集まります。

日々の業務は忙しく、体力的にはクタクタになることもありましたが、それでもインストラクターの仕事が楽しくて仕方がなかったのは、私が本質的に「人間観察と人と接することが大好き」だったからに他なりません。

私にとって苦手な受講生は一人もいませんでした。

どんな個性を持った方も興味深い存在であり、「どうすればこの人に、もっと伝わる語彙や表現ができるだろう?」と考えることが楽しくてたまらなかったのです。

伝わる話し方を増やすために本を貪り読み、受講生の趣味や好きなものに耳を傾けて共通点を探るなど、「ここに来て本当によかった」と思ってもらうために、毎日真剣に頭をひねり、試行錯誤を繰り返していました。

笑顔でパソコン指導
笑顔でパソコン指導

一人ひとりに真剣に向き合い、寄り添ってきたからこそ、自然と相手の心に響く言葉が生まれる。

たとえ説明が少し不器用になってしまったとしても、「あなたの力になりたい」という真剣な想いは、必ず相手の心に伝わるものだと確信していました。

また、指導する立場だからといって決して偉ぶらず、上から目線にならないこと。胸ポケットのボールペンの先で画面を指し示すような冷たい指導は絶対にせず、常に柔らかい物物腰で、笑顔と元気いっぱいに接することを心がけていました。

人間関係の原点は、実にシンプルです。

「自分がされて嬉しいことを、相手にも精一杯行う」

高校教師となった今でも、私の根底にあるこの想いは何一つ変わっていません。

これからも目の前の生徒たち一人ひとりに寄り添い、この原点を大切にしながら走り続けていきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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